厨房に空調を設置する場合は、厨房の広さに見合った空調を選ぶだけでは馬力が足りません。なぜなら、一般の住宅・オフィスに比べて換気量が多いからです。外気負荷を計算し、その分を上乗せした空調を選ばなくてはなりません。
下図を例に外気負荷の計算をしてみましょう。

天井扇 Φ150:200m3/h(又はCMH)
フード換気量:1.2(フードの長辺a(m)) ×0.75(フードの長辺a(m)) 
×0.4(面風速VF(m/s))×3600(s/h)=1,300m3/h
(換気量の計算の詳細は、「1からわかる!給気口の選び方【換気量の計算】」をご覧ください。)

居室換気量:上記(200m3/h+1,300m3/h)以上の量とします。
建築基準法施行令第20条の2に準じる(V=20Af/N)
火気使用による換気量:V=40KQ又はフード面風速からの換気量の大きいほうを用います。
24時間換気量:居室(条件により0.5〜0.7回/h)内の空気の入替

〚室温20℃、外温0℃〛時の外気負荷

  • 定圧比熱:0.24Kcal/Kg.deg
  • 空気の比重量:1.2Kg/m3
  • 比熱.比重量= 0.24Kcal/Kg.dt X 1.2Kg/m3 = 0.288Kcal/m3.dt
  • 室内外温度差:△t=20-0
  • 1Kw=860Kcal/h

フード近くに給気口を設けてショートサーキットさせることで、この場合は外気負荷を300m3/h減らすことができます。
昇温空気量は1.500m3/h-300m3/h=1,200m3/hQ = 0.288(比熱.比重量 Kcal/m3.dt) X V(換気風量 m3/h) X Δ(室内外の温度差 dt)
Q = 0.288×1,200×(20-0)=6,900Kcal/h(8kw)

上記の条件においては、6,900Kcal/hの熱量を消費します。エアコンなどの空調を選ぶ場合には、8kwを上乗せした機種を選ぶことをお勧めします。